守護犬ep.0

どうか遠くへ行かないで

艶のある黒い毛並み

芳ばしい匂いの肉球

どうか遠くへ行かないで

その温もりが冷たく硬くなってしまう事が何よりも怖いんだ

その足取りがヨタヨタとおぼつかなくなることが何よりも怖いんだ

その綺麗な目に力がなくなっていくことが何よりも怖いんだ

どうか遠くへ行かないで

 

嘘の後輩3

処女みたいなワンピースを着てコンビニでアイスを買った

昔より薄くて長くなった三角形の赤と緑のアイス

自分もこのまま時間が経てばそんな風に変わるのかと思った 

足元に落ちた視線

アリってこんなに居たんだ

サンダルでいたずらに踏む、歪んだアリはジタバタと逃げる追いかけて踏む、動かなくなった

罪悪感

アイスが溶け始めてる

夏ってそういえばこんな感じだったなと思って歩きながら食べました。

暮らし

あ、

ずわんって暗い黒いいつものアレが、心の底の方で凪いでいたアレが、また吹き上がってるのを感じる。

私は努めて平静を装うけれど、正直どう見られているか気にする余裕まではない

ソレは底の方で渦巻いて上ったり下がったり繰り返して水中を濁らせていく、

そんなのがたまにある、なにも私だってそれが突然起こるほど情緒不安定ではない、と思う。きっかけはあるしそれも何かはハッキリしているのがほとんど

そういうのは舞い上がっていたり、浮かれている自分を自覚した時で

まぁ、その、

特定のコミュニティにしか居ない、そこから広げない、広げたいと思っていないから、その中に居る人達を信頼してしまうからそうなる

誰も信用しないようにとか、誰にも私を見せないようにとか、なんとなくこういう気持ちになった時に改めようとするけれど、本性が気持ち悪く自己顕示欲も人並みならないので、

私は人に好かれる性格ではない

多分、少し離れたところから見ているのが面白い人間なんだと思う、近づくと気持ち悪くて、イタくて見るに耐えないので誰もが一定の距離で線を引いている

私はそれに気づかずバカなので踏み越えてにまた失敗する

集団に溶け込めない

本当につらい

なんで生きているのか分からない

褒められたい

安心させてほしい

居場所がほしい

いつも通りなにもまとまらなくて頭の中を整理もせずにだす

なんでこうも普通が出来ないのだろう

なにがダメなんだろう

気持ち悪い自分はもう一生あの集団の一員として集団からも認めて私もここは安心できる居場所として認識できるように、というのは叶わないんだろうか

別に死ぬ理由にはならないけれど

これを諦める人生って、楽しくないんだろうな

集団でやれば早いことも1人でやらなきゃいけないようになって、頭も悪い私が1人でやったもので生きていかなきゃいけないのってしんどいんだろうな

楽しくもなくて、しんどい人生がこれから先も続く予感

それって

ねぇ、

私は一生このまま人1人とも打ち解けることは出来ないのだろうな

1人でいい

1人だけでもいい安心させてほしい、お互いの感情の矢印と重力が同じくらいの人間がほしい

死ぬまで1人なんだよ

もう許してくれよ

なんで普通に普通ができないんだよ

許してください

私に友達が出来ないのは私が悪いらしい

ひとりはいやだ

たすけてほしい

6年近く人間と親密な関係になっていない、人間と関係を維持出来ていない、罰ですかこれは、もうゆるしてくれ

私は私で1人を楽しむしかないような気がする

私が失うものは何もないし私から奪える物もないし

私は誰も

 

 

今日

十三時四十九分

「かっこいい」とか「かわいい」とか「楽しい」が自分にとってどういうものなのか、そういう話をするのは楽しい、自分が普段思っていたり感じたりするけれどいちいち人に言わない事を「むしろその主観的に感じた事を書きなさい」と言われるのは(少し恥ずかしいけれど)小さな子供が母親にまくし立てるかのように、「聞いて聞いて!」とばかりに、沢山出てくるそこまでは良かった

それに対してよく書けた。と、思ってしまった事がきっかけでまた馴れ馴れしい憂鬱が喉の奥から酸味の強い胃液のようにジワジワと登ってくる。その自負がその自信がいけないって何度も何度も思い知らされて来たのにまだ学習していないのかい。憂鬱と穴に入りたくなるような羞恥心、(穴に入りたくなるとは言うけれど本当に穴に入ったりしたらドン引き)貼りついたそれらはニタニタと笑った

 

十四時二十四分

憎からず思っているのだけれど、ニコニコ和気藹々とした雰囲気の中の私はうまくやれずにどうしても集団の異物。という感じがして毎回「なんでここにいるんだろう」と虚しくなるので黙ってエレベーターの到着だけを願っています。(結果的に異物)

 

十四時三十二分

私はこの顔が心底嫌いなんだなと改めて思った。それはそれの性格についての好き嫌いに付随して巻き起こった感情だから初めて会った時は思いもしなかったけれど、今は1秒でも視界に入れたくないとさえ、我ながら酷すぎる神様にでもなったのか

私に間違いなく備わっている人間としてあってはならない、あったとしても、出してはならないそれについて、頭の奥から精神的な嗚咽が聞こえた

 

十七時二十六分

さむい、寒すぎる腕に鳥肌が立つ、あととても眠い。スキニーパンツなんて履くんじゃなかった締め付けが不快になってきた、半袖は失敗だった(眠い)グレーだから汗をかいたら見えるし不快にさせてしまう、今日は失敗だ(眠い)

 

十七時五十三分

簡易的だが安くはなさそうなカメラをパチンコ屋に向けて撮影する二人、談笑しながら撮っていた、冷え切った身体に初夏の夕暮れの気温は心地いい

 

十八時十三分

一年生がツイッターでメンヘラ長文を連投していて「おっ^^」と思わず笑みがこぼれた、誰かを見ているみたいだった、私はそれを読むことはなくスクロールして飛ばした、誰かのそれも可視化された時間の中でただ流れていくんだろうな、それだけが救いでそれについてやっぱり誰も手を差し伸べる事はないと思った(本当に助けてほしい時はツイッターじゃなくて然るべきところでと思うけれど、助けてくれる所が分からない場合はどうしたらいいんだろうね、社会的な繋がりが薄いと生きていけない。)

同時にちょっと思い出すこともあった

私の場合、インターネットの河原から笹舟をいくつも流していく様な気持ちで書いていたり、書きながら自分の漠然としたものを自己満足で理解するために使っていて、前者の時はそれに全エネルギーを用いて余剰はなくなっている。なかったので過干渉には耐えられなかった、そもそも流れていく笹舟を拾い上げられたら不快。今はもっとうまく出来たとも思うけれど。それからはアカウントを分けるようにした。ただ一番いいのは、誰にも見えないところでやる事です

ツイッターにはいろいろな使い方がありますね。反応をする時は誰がどういう感情で使っているのかその都度予測しながらした方が顔の見えないコミュニケーションでうまくやれるはずだと思う

 

二十三時四十七分

◯◯◯◯◯◯、◯◯◯で◯で◯◯◯◯は◯◯◯◯◯。そういうのは◯◯だと思うし◯◯◯◯◯と思う、ただ◯◯◯◯◯◯の私はなにも言えない。

言いたい、言いたいことは沢山あるけれどそれは表に出すべきではない事ばかりでどうしようもなく日々の灰汁が溜まる、これらはその灰汁を捨てる行為に近いけれど、同時に私の人として必要な信頼やなにからなにも捨ててしまう。浮いてこない鍋の底に貼りついた灰汁は捨てられずにいる。

どうしようもないやりきれなさと親友面した憂鬱だけが斜め後ろにいる

 

一時十七分

あの拡大自殺型無差別殺人の現行犯に私自身、私を見て、私の事を少なからず知っている人も、私を見かける程度の人も。私とあの犯人について「ああ!確かに似ているね!」と思っているようで、思っているようで、そういう妄想をしているけれど、私にはアレは出来ないと思う。失うものがもう何もなくなった無敵の人になったとして、そういう事をやってやろうと思っても最初の一太刀までは出来るかもしれない、けれどそれ以降は「早く私を止めてくれ」と思っていそう

 

おわり

なんなんだ。

ラブソングのあなたや君がわからなくて泣きそうになる、誰しも感じたことのあるという宣伝に私の感じたことのない瞬間が綴られる、なんだかやるせない。視線は君やあなたを通り抜けて壁の上を滑る、特別なら私にだけ弱音を吐いてくれればよかった。

jpopに全部歌われてしまう燃やしてしまえ

ちりもあくたも

影が濃くなる夏の日のあなたの横顔が忘れられないけどきっと恋じゃない

笑うのが下手なんだなって感じで笑う君がずっと好きで、笑うのはあまり得意じゃないけど面白い事が好きで、ちぐはぐな感じが私は好きで

でも私は特別じゃないから

暑さ日差しセミ路上で干からびるミミズ死んだネズミに群がるアリ道路で死んでる小動物蝉の声プール塩素の匂いはしゃぐ子供の声朝7時のラジオ体操の音傷んだ髪不快な風

夏の事は色濃い、だけどビビッドな色彩じゃない確かにあって強くてでも激しくはない、重くて静かな生と激しくて活発な死が同時に巻き起こるそういう所が好きです。

私は誰のことも好きじゃなかったといってふといなくなる、「私は誰のことも好きじゃなかった」と言って居なくなる想像は何にも変えがたい気持ちにさせる