軽いね〜

包丁を掴んで、刃の部分を上にして刺しかかった、けれど大きくたくましい腕はバシンッ!となぎ払ってわたしは軽々吹き飛んでしまう、私の意思や自我が育ちかけた所にいつもその大きくて浅黒い腕が伸びてくる、私はもうほとんど条件反射のようにそれに萎縮し降伏する、私の決意や意思が足元からふにゃふにゃと力が抜けていく、その腕は本当に優しく叩かれると痛く言葉は呪い、痛くて怖い、軽薄な言葉にはいつも負けてしまう

刺しかかっても殺す気はなく脅かしてやろうという程度なので私はいつも壁まで軽々と飛ばされる

恐ろしく怖いことばかりだ、小さな子供のままで居たい

私がもし、こんな夜に蛇を飼っていたらよかった、こんな夜に蛇を見られるから